株式投資において損切りをすべきか否かは投資家により意見が分かれるところである。
そして、どちらの意見が正しいということでもない。
損切りをすべきか否かは投資家個人の投資スタイルにより変わるからである。
しかし、筆者の立場は損切り推奨派である。
この記事ではなぜ損切りが重要なのかを考えてみることにする。
そもそも損切りとは
損切りとは、含み損がある状態で株式などを売却して損失を確定させることである。
株価の値上がりが期待できない時に行う行為であり、損失の拡大を抑えることができる。ロスカット、ストップロスとも言われるのは、損失(ロス)を防ぐからである。
損切りのメリット
損切りのメリットは以下の3つである。
- 損失の拡大を防ぐことができる
- 資金効率を上げることができる
- 税金を安くすることができる
株価が下落する銘柄を所持している場合、含み損はどんどん拡大していく。
いつかは上がるだろうという気持ちで株価を持ち続けていても、そのいつかは一生訪れない可能性もあるだろう。
損切りをする事で損失の拡大を防ぐことができる。
また、損切りにより回収した資金を新たな銘柄に投資することで損失以上のリターンを得る可能性がある。
さらに、既に売却益がある場合は、損切りによる損失と合わせることで売却益を少なくできるため、節税効果を得られる。
損切りのデメリット
損切りのデメリットは以下の2つである。
- 株価が反発する場合もある
- 売買手数料が増える
株価の値下がりを受けて損切りしたが、その後株価が反発して利益を上げられたかもしれない。
また、損切りをせずに一度購入すると決めた銘柄は利益確定まで持ち続けるというバイ&ホールドスタイルよりも売買回数が多くなるため売買手数料が増えてしまう。
損切りが重要である理由
損失の拡大を防ぐ
株価は基本的には上がり下がりを繰り返しているが、一旦株価が下がった銘柄が反発して再び上昇する保証はどこにもない。
そのため、自身の銘柄選定が誤っていることが発覚した場合、直ちに損切りするべきである。
損切りをすることで損失を確定させることは精神的なダメージになるかもしれない。
しかし、株価が下落し続けてしまうと、本来投資により増やすはずの資産が底をついてしまう。
株式市場に参入する前に、自身の損切りルールを明確にしておく必要がある。
たとえば、購入株価から10%下落したら損切りする、などである。
損切りルールをあらかじめ決めておくことで、実際に株価が下落した際に理性的な判断ができるようになる。
機会損失を防ぐ
筆者は10年以内に2億円の資産を形成するという野望がある。シミュレーションによると平均年利70%から100%で運用しなければいけない。

そのためには、塩漬け株を作らずにいかに資金効率を高めるかが重要になってくる。
ダン・アリエリー著作の予想通りに不合理にも記載の通り、人間は不合理な生き物であり、損失に過剰に反応してしまう。
例えば、11万円で購入した株式の評価額がプラス1万円になったという利益よりも、マイナス1万円になったという損失に強い感情を抱いてしまうのだ。
損切りをすることは強い勇気を伴う。しかし、こうは考えられないだろうか。
損切りをすることでマイナス1万円の損失を一時的に認めることにはなるが、損切りにより投資資金10万円を回収し、その資金を新たな投資に回すことで1万円以上のリターンを得る可能性がある。
確かに損切りという行為は一時的に損失を被ることになるが、損切りにより新たな投資機会を得ることもある。
損切りをしないことは、より有望な銘柄を掴むことができるチャンスを不意にすることもある。損切りをしないことで投資機会を損失する可能性があるのだ。
まとめ
この記事では損切りの基本原理とメリット・デメリットをまとめ、その上で損切りが重要であるという筆者の意見を述べた。
損切りの基本原理である、損失の拡大を防ぐことに加えて、損切りにより一時的には損失を被ることにはなるが、回収した投資資金を新たに有望な銘柄に投資することにより損失以上のリターンを得られる可能性がある。
特に、10年以内に2億円の資産を築くために平均年利を上げる必要がある筆者のような投資家にとって、資金効率を上げることは重要である。
以上が、損切りが重要であると筆者が考える理由である。
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