3年連続増配!炭素製品大手の東海カーボンについて調べてみた

投資全般

東海カーボン株式会社 <5301>は炭素製品の国内大手企業である。

四季報2019年秋号をぱらぱらとめくっていた際に、目に留まった企業である。

東海カーボンに興味を持った理由は、ここ数年の売り上げの伸びと3年連続増配の実績があるにもかかわらずPBRが1.12という割安な水準であるからである。

この記事では東海カーボンについて調べた結果をまとめてみる。

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東海カーボンの展開事業

東海カーボンは1918年に創業してから、日本の炭素業界を牽引してきた企業であり、現在では世界各国に拠点を持っている。東海カーボンの主要事業は以下の3つである。

  • 黒鉛電極
  • カーボンブラック
  • ファインカーボン

黒鉛電極

黒鉛電極は東海カーボンの売上の4割近くを占める主要産業である。日本・アメリカ・ドイツの開発拠点からアジア・北米・欧州に輸出されている。

黒鉛電極は製鉄方式のひとつである電炉方式に用いられる。電炉方式とは鉄スクラップを電炉内で溶解させて再び鉄として利用する製鉄方式であり、鉄スクラップの溶解に黒鉛電極が用いられる。

2019年現在、世界の鉄生産量に占める割合は半分以上が高炉方式によるものである。

しかし、鉄鉱石を原料として鉄を作る高炉方式とは異なり、鉄スクラップをリサイクルして再び鉄を取り出す電炉方式は二酸化炭素の排出が高炉方式よりも少ないことや、原料は鉄スクラップを再利用できる。

電路方式は今後拡大が見込まれる。

カーボンブラック

カーボンブラックとは炭素を用いた補強剤であり、主にタイヤに使用されている。ゴム製品に混ぜ込むことで、カーボンの持つ強度や耐摩耗性を付加することができる。

さらに、カーボンブラックの用途は補強剤だけでなく、黒色顔料としてインクジェットプリンターの黒色インクに使用されたり、半導体層として電線に利用されたりするなど、大幅な需要がある。

カーボンブラックの売上は黒鉛電極と同様に東海カーボンの売上の4割近くを占める(2019年)。2018年に買収した米国のカーボンブラック生産企業の売上寄与が大きい。カーボンブラックが使われるタイヤの米国での需要は今後も緩やかに増加していくことが予想される。

ファインカーボン

ファインカーボンは半導体や太陽電池の製造過程において使用される黒鉛材料であり、東海カーボンは日本でファインカーボンを製造し、アジア・欧州・北米へと輸出している。

2019年の東海カーボンの売上に占めるファインカーボンの割合は12%である。Tokai Carbon Koreaの子会社化により、2018年の売上と比べて4割弱増加している。ファインカーボンの製造企業は世界的に見ても希少であるとされるため。今後も増加が見込まれる。

業績が好調な理由

東海カーボンは2017年から2018年で売上が2倍以上、利益が6倍以上に成長し、株価は2017年の1,000円の水準から2018年末には2,300円の水準にまで急騰している。

年度 売上(百万円) 営業利益(百万円) 営業利益率(%)
2014年 114,576 3,703 3.2
2015年 104,864 4,088 3.9
2016年 88,580 1,131 1.3
2017年 106,252 11,486 10.8
2018年 231,302 75,284 32.5
2019年(予想) 304,400 76,900 25.3

引用元:四季報2019年秋号


東海カーボン株価
2018年には中国の環境規制やEV需要の拡大による黒鉛電極の原料(ニードルコークス)の急騰により東海カーボンの主力製品のひとつである黒鉛電極の値上げがされた。

これにより2018年には売上が大きく伸び、株価も急上昇した。

さらに、2017年から東海カーボンはM&Aを積極的に行なっている。

2017年にはドイツの黒鉛電極製造基調を買収し、2018年には米国と韓国のカーボンブラック製造会社を傘下に収めた。

このことも東海カーボンの急成長につながっていると言える。

割安な理由

急成長をとげる東海カーボンの株価は2019年11月22日時点で1,036円であり、予想PERは6.19倍、PRBは1.12である。

配当利回りは4%を越えており、日本株の中ではかなり水準であると言える。しかし、PER・PBRの視点から考えると、東海カーボンの株価は割安である。

前項で述べたように東海カーボンの急成長の理由は中国市場における黒鉛電極の需要増加を受けてである。その証拠に市況が変わる前の2016年の純利益は赤字であった。

黒鉛電極は東海カーボンの売上の4割近くを占めるため、黒鉛電極の価格が下落した際には東海カーボンの業績は急落し、株価も大きく下落することが予想される。

東海カーボンは買いなのか?

東海カーボンの業績が現在のままであるなら、”買い”であると言える。

しかし、近いうちに中国での黒鉛電極の生産環境が整うと黒鉛電極の供給が安定し、東海カーボンの売上も落ちることが予想される。

その一方で、黒鉛電極の供給が安定して東海カーボンの株価が下落した際には割安に株を購入するチャンスである可能性もある。

まとめ

近年急成長を遂げた東海カーボンについて調べてみたところ、中国市場における黒鉛電極の需要拡大と、東海カーボンのM&Aにおける規模拡大が急成長の理由であることがわかった。

黒鉛電極の価格が不透明であることから、現在は割安な株価であるが、購入するタイミングは黒鉛電極の供給が安定して、東海カーボンの株価が下落した時点が良いであろう。

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