アーリーリタイヤして優雅な配当生活を送るために必要な金額は2億円だと試算している。
この理由は2億円の資産を安定配当銘柄として保有していた場合、年に800万円の不労所得を得ることができる。
年収800万円という数字はお金には困らないとは言えないにしても、生きていくためには十分な金額だと考えている。
では、筆者のような一介のサラリーマンが2億円の資産を形成するには、年利何パーセントで何年間運用すれば良いのか考えてみる。
シミュレーションの必要性
そもそもなぜシミュレーションを行う必要があるのか?
それは、自らの投資スタイルを決めるためである。
投資スタイルに正解はないと考えている。
すでにある程度の資産を所持している人は年利数パーセントで安定的に資産を拡大すべきだろう。
一方で、筆者のように保有資産に乏しく一発逆転を狙う必要がある場合は、リスクをとってハイリターンを狙う投資スタイルを選択することとなる。
そのためには、目標金額と投資可能資金から運用年数・平均年利を決定し、最適な投資スタイルを選択していかなければいけない。
シミュレーション条件
下記のようなシミュレーション条件により、\(t\) 年目の資産 \(X(t)\) を試算してみる。
年間投資資金 | \(x\) 万円 |
平均年利 | \(n\) % |
運用年数 | \(t\) 年 |
たとえば、1年目の資産は最初の投資資金のみであり、
\(X(1)=x\)万円
となる。
2年目の資産は1年目の投資資金\(x\)万円を年利 \(n\) %で運用して増加した資産に2年目の投資資金 \(x\) 万円を足して、
\(X(2)=x\times \frac{n+100}{100} + x\)
となる。
同様に考えていくと \(t\) 年目の資産は、
\(X(t)=x \times (\frac{n+100}{100})^{t-1} + \frac{n+100}{100})^{t-2} + \cdots + x\)
となり、この式をまとめると、
\(X(t)=x \times \frac{1-(\frac{n+100}{100})^{t}}{1-\frac{n+100}{100}}\)
となる。
式の変形の過程が気になる方は、高校の数学の教科書を見直すか「等比数列 和の公式 証明」などで検索を試みて欲しい。
次の項目では年間投資資金 \(x\) 万円と平均年利 \(n\) %をパラメータとして変更させた時の、\(t\) 年後の資産 \(X(t)\) 万円の関係を調べてみる。
資産運用シミュレーション結果
年間投資資金 \(x\) = 50万円、100万円、150万円、200万円、250万円、300万円の場合それぞれについて、平均年利 \(n\) = 3%、5%、7%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、70%、100%で資産運用した場合の\(t\) 年後の資産 \(X(t)\) 万円についてシミュレーション結果を示す。
筆者の目標は10年以内に自由な生活を得ることであるため、シミュレーション期間は10年までとした。すべてのグラフの縦軸は総資産[万円]を表し、横軸は資産運用の年数[年目]を表す。
目安として目標である2億円を赤でマーキングしている。
年間投資資金が50万円の場合
年間投資資金が50万円の場合、10年以内に総資産2億円を達成したのは以下の場合である。
- 平均年利100%(8年)
年間投資資金が100万円の場合
年間投資資金が100万円の場合、10年以内に総資産2億円を達成したのは以下の場合である。
- 平均年利70%(9年)
- 平均年利100%(7年)
年間投資資金が150万円の場合
年間投資資金が150万円の場合、10年以内に総資産2億円を達成したのは以下の場合である。
- 平均年利70%(8年)
- 平均年利100%(7年)
年間投資資金が200万円の場合
年間投資資金が200万円の場合、10年以内に総資産2億円を達成したのは以下の場合である。
- 平均年利50%(9年)
- 平均年利70%(8年)
- 平均年利100%(6年)
年間投資資金が250万円の場合
年間投資資金が250万円の場合、10年以内に総資産2億円を達成したのは以下の場合である。
- 平均年利50%(9年)
- 平均年利70%(8年)
- 平均年利100%(6年)
年間投資資金が300万円の場合
年間投資資金が300万円の場合、10年以内に総資産2億円を達成したのは以下の場合である。
- 平均年利40%(9年)
- 平均年利50%(8年)
- 平均年利70%(7年)
- 平均年利100%(6年)
年間投資資金より平均年率の方が支配的!
シミュレーション結果から、\(t\) 年後の総資産 \(X(t)\) に対して、年間投資資金\(x\) 万円よりも平均年利 \(n\) %方が支配的であることが読み取れる。
これは、シミュレーション条件の章で算出したように、\(t\) 年後の総資産 \(X(t)\) は、
\(X(t)=x \times \frac{1-(\frac{n+100}{100})^{t}}{1-\frac{n+100}{100}}\)
となり、年間投資資金は\(x\) は掛け算の項であるが、平均年利 \(n\) は運用年数 \(t\) の累乗の項であることからも明らかである。
10年以内に総資産2億円達成のための平均年利は100%!
筆者は10年以内に2億円の資産を築いてのアーリーリタイヤを志している。
そして、1年間に投資に使用できる金額はせいぜい150万円程度であるため、10年以内に総資産2億円以上を達成するには平均年利70%から100%を達成しなければならない。
目標は大きく、平均年利100%を達成することを掲げるとしよう。
つまり筆者は今後の銘柄選びにおいて、この銘柄は1年で2倍の株価になるか?という観点から投資対象を決定する必要がある。
今回のシミュレーションでは株式売却時に生じる税金や、配当の再投資を考慮に入れていないが、投資スタイルを決めるためのシミュレーションとしては妥当なラインであると考える。
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